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古事記伝

或書に葦牙(あしかび)に喩しより名る由雲るは、上つ代の意に非ず、さては原と雲ひ中と雲こと由なし、又中つ国と雲お、漢国の人のみづからほこりて、中華、中国と雲と同じさまに説(とき)なすも、彼おうらやみたるひがことなり、たヾ葦原の中なる物おや、又この葦原の中国といふは、西の九州(こヽのくに)おさすと雲は、高天の原お大和の国のことぞと誤り思ふから出たる強説なり、