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冠辞続貂
二於
大伴の 〈三津〉 高師〈◯中略〉 摂津の風土記に、夢野は【雄伴(おとも)郡】に在と見え、又大和の法隆寺の資財牒に、摂津国雄伴郡宇治郷宇奈五岳壱地と見えたり、和名抄には此郡名なきは、淳和天皇の御諱お大伴と申奉りしかば、大伴氏お伴氏と改めし時、雄伴郡お八田部(○○○)と改ためけん、此事日本後紀、日本逸史等に見えざるは、脱漏なるべし、是よりさきに、桓武の御名お山部と申せしかば、山部氏お山氏と改め、平城の御名おさけて、紀の国の安提郡お在田郡と改め、嵯峨の御名おさけて、伊与の神野郡お新居に改めらるる例也、