[p.0061]
玉葉和歌集
二十神祇
そのかみよりつかうまつりなれけるならひに、世お遁れて後も、賀茂の社に参りけるお、年たかくなりて、四国のかたへ修行しけるが、又帰りまいらぬこともやとて、仁安三年十月十日夜、参りて幣まいらすとて、たなおの社のもとにて、静かに法施奉りける程、木の間の月ほの〴〵にて、常よりも神さびあはれに覚え侍りければ、 西行法師〈◯歌略〉