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松の落葉

京のまちのみち大路小路(○○○○)といひ分たる事 一条より九条までのまちのさかひのみちおば、大路といひつるなり、江家次第五の巻、春日祭使途中次第のところに、梨子原在二条大路南といひ、又如一条大路儀といへるお見てしるべし、その条のうちのみち、又北より南へゆくみちおば、小路といひし事にて、同巻列見のところには、宮北の路は春日小路也といひ、同書六の巻、石清水臨時祭のところには、舞人於匣小路西騎馬とあり、今も富の小路錦の小路などいふ名のこれり、いにしへはみなしかぞいひけん、さて又ひんがし西北みなみのまちの名おあはせてもいひき、同書五の巻に、於七条大宮官人行除目、又於七条堀川有除目事など見え、大鏡八の巻にも、物見車ども二条大宮のつじにたちかたまりて見るにといへり、さてこの大路と小路とのひろさ、むかしはいたくことなりき、大路のひろさは十丈、小路のひろさは四丈なるよし、延喜式四十二の巻、左京職の京程のところに見えたり、