[p.0179][p.0180]
古事記伝
四十三
此皇女の此宮に坐ことお雲るは、此時天津日嗣所知看べき王お尋求むるに、すべて男王は在坐ずて、唯此女王一柱のみ世に存坐るよしにて、又殊に其宮おしも挙雲ることは、此宮に坐々て、暫く天下所知看つる意お含めたる文なり、抑此時此姫尊お除奉りては、王坐ざれば、天下の臣連八十伴緒、おのづから君と戴き仰ぎ奉りけむ、