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万葉集
一雑歌
過近江荒都(○○○○)〈◯天智〉時、柿本朝臣人麻呂作歌 玉手次(たまだすき)、畝火之山乃(うねびのやとの)、〈◯中略〉石走(いはばしる)、淡海国乃(あはみのくにの)、楽浪乃(さヾなみの)、大津宮爾(おほつのみやに)、天下(あめのした)、所知食兼(しろしめしけむ)、天皇之(すめろぎの)、神之御言能(かみのみことの)、大宮者(おほみやは)、此間等雖聞(こヽときけども)、大殿者(おほとのは)、此間等雖雲(こヽといへども)、春草之(はるくさの)、茂生有(しげくおひたる)、霞立(かすみたつ)、春日之霧流(はるひのきれる)、百磯城之(もヽしきの)、大宮処(おほみやどころ)、見者悲毛(みればかなしも)、〈◯反歌〉 高市古人感傷近江旧堵作歌、或書雲高市連黒人、 古人爾(ふるひとに)、和礼有哉(われあらめや)、楽波乃(さヽなみの)、故京乎(ふるきみやこお)、見者悲寸(みればかなしき)、