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平治物語

常盤六波羅参事 常盤先御所へ参て申けるは、女の身の無墓さは、若片時も身に添てや見ると、此幼者ども引具し、【傍田舎】(かたいなか)に立忍て侍つるが、童故行衛も知らぬ老たる母の、六波羅へ被召て、うき目に相給と承れば、余りに悲くて恥おも忘て参たり、