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源平盛衰記

西光卒都婆事 或人の雲けるは、今生の災害は、過去の宿習に報べし、貴賤不免其難、僧俗同く以て在之、西光も先世の業に依てこそ、角は有つらめども、後生は去とも憑しき方あり、当初難有願お発せり、七道の辻ごとに、六体の地蔵菩薩お造奉り、卒都婆の上に道場お構て、大悲の尊像お居奉り、廻り地蔵と名て、七箇所に安置して雲、〈◯中略〉加様に発願して造立安置す、四宮河原、木幡の里、造道、西七条、蓮台野、みぞろ池、西坂本是なり、