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山州名跡志
十六久世郡
巨椋〈或作小倉〉 在宇治乾三十町許、有民居名村、此所伏見より到る順路は豊後橋の南、大和路にて、橋より五十町にあり、其路左に宇治川あり、右に伏見沢あり、右此五十町の所、秀吉公の時所築の堤なり、古の大和路は、巨掠より寅卯の間に向つて宇治橋に出で、木幡の関に趣きし也、〈◯中略〉 久世〈所名清音〉 在大久保巳午間、其間十町許、但大和街道は於久世東の端にして南北五町許お雲ふ、其南は寺田村に双ぶ、但久世村の民居は大和街道の西にあり、