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倭訓栞
前編三十四也
やまと 日本大和およむは義訓也、山跡の義といへる猶旧き説也、とは多く処おいへり、もと山辺郡大和(おほやまと)と式に出たる名にして、後国号となりし成べし、此郷に国魂の神もましませる也、げにも大和国形、吉野一郡三分の一に居て、山のみ国に充てり、神武天皇東征ましましてより、代々めでたき皇都なりしかば、大八洲の内に豊秋津洲も大日本と標し、後は六十余州お併ての総号とはなれる成べし、邪山台、野馬台など書るは西土の私也、