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幽遠随筆

大坂は、津の国第一の湊にして広大の地也、しかも其古名、古書和歌等にいまだ見わたらず、〈◯此間引用日本書紀仁徳天皇皇后贈答歌及釈日本紀文、今略、〉承徳年中の古図お考るに、大江岸の巽、生玉之庄小坂村有、後世村民繁栄して、民家広大の地となり、時の人、小坂お転じて大坂とする歟、〈◯下略〉