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国花万葉記
六之一摂津
大坂大図 上町とは、京橋より大坂之入口、御太城之東のうしろより西は東堀とて高麗橋農人橋等の堀すじお限とす、此所は古より、住吉大江の岸の上すじなる故、東堀より西船場の地よりは町に坂有て岸通高し、故に上町と雲なり、東堀と雲も、船場より東に有故東横と雲り、上町よりは西なる故、上町にしてはさは雲べからず、此堀は北今橋の大川口より南へ一すじに、高津の宮の順路へ通り、それより西へくじきながるヽ川すじお道頓堀と雲、此所の角おほりつめと雲、道頓堀より北は十筋目に長堀とて、東横堀より西へ流れ、西横堀お十文字に堀通りて、すぐに西浜へ流れ入也、道頓堀と本末ひとしき堀也、