[p.0405][p.0406]
三国地志
五十九伊賀
阿拝郡 郷名 柘殖〈◯中略〉 按、天武紀積殖に作り、倭姫世記雲、都美恵是なり、風土記植柘に作り、盛衰記殖柘に作るものは、顚倒或は誤字のみ、天平勝宝、永保、永久等の年間東大寺古文書、阿拝郡柘植郷に作る、植恐くは誤写ならん、倭名抄柘の訓豆美、今柘植に作りて黄楊の訓とするものは古義にあらず、今上柘植、中柘植、下柘植、野村、愛田、新堂、御代、楯岡、小杉、柏野、上村、是お呼て柘植郷と雲、 河合〈◯中略〉 按、東大寺古文書、阿閉郡河合郷、今河合、馬田、千具、田中、石川、円徳院、波鋪野馬場、西の沢、是お河合郷と雲、 印代〈今廃◯中略〉 按、今村名に存す、 服部〈◯中略〉 按、今服部、羽根、高畠、寺田、荒木、西明寺、是お服部郷と雲、 三田〈◯中略〉 按、東大寺古文書、阿拝郡三田郷雲々、今三田、大谷、守羽、北曾、河内、丸柱、是お三田郷と雲、 新居 按、続日本紀新家と雲是也、今西山、西村、東村、風野間、是お新居郷と雲、 已上和名抄に出る所なり、 長田〈◯中略〉 按、東大寺古文書、阿拝郡長田郷雲々、旧伊賀郡に属す、今更て本郡に移載す、長田、朝屋、木興、大野木、法華、大内、〈下庄〉是お長田郷と雲、 小田 按、今小田、上野〈農人町〉久米、浅宇田、四十九、是お小田郷と雲、 府中〈旧作国府〉 按、西条村に存す、東条、西条、土橋、山神、印代、坂下、是お府中郷と雲、 一宮 按、今一宮、千歳、佐那具、外山、是お一宮郷と雲、 北五箇〈◯中略〉 按、今玉滝、内保、西湯舟、友田、〈上中下三村お一郷とす〉是お北五け郷と雲、 島け原 按、准后伊賀記、島け原郷雲々、大道興村、中屋、河南、中村、是お島け原郷と雲、風土記伊賀郡に属す、今更て本郡に移載す、 壬生野〈◯中略〉 按、今川東、川西、山畑、是お壬生野郷と雲、 已上七郷に上の五郷お合して十二郷今存する所なり、 音羽〈今廃〉 准后伊賀記曰、音羽郷、按今村名に存す、