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勢陽五鈴遺響
首上
郡県総論 本州の国郡界の定置する処は、西北の極は各山嶺お列りて他州の分界とす、美濃、近江、伊賀、大倭に接するは然り、南極は南海に限りて、紀伊州牟婁郡に接す、東極は各東海に限り、其東南の隅に至り稍く志摩州に接するなり、其郡は桑名郡東西短少にして南北長闊なり、国の東北隅にあり、員弁郡は東西南北共に相等し、朝明三重二郡は東西長闊にして南北短少なり、鈴鹿郡は東西共に南北に同じ、河曲郡は東西短小にして南北長闊なり、菴芸郡は東西長闊にして南北短小なり、安濃郡相同じ、一志郡相同じ、稍く南北も安濃より長闊なり、飯高郡相同じ、西は南北稍く長闊にして、東に至り南北稍短小なり、飯野郡東西長闊にして南北短小なり、多気郡は東西長闊にして南北短小なり、度会郡相同じ、然ども本州郡に於て度会一志は最大なり、多気亜之、安濃是に亜り、其余鈴鹿、飯高、三重、朝明、員弁大略相同じ、菴芸、飯野、河曲至小なり、