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勢陽五鈴遺響
安濃郡四
安乃津村 本州中央の府にして、東海及諸道の大神宮に詣ずる官道にして、滄海の瀕にあり、北は奄芸郡に接し、南は一志郡に界して、本郡及鈴鹿、奄芸、一志の郷民こヽに聚て山海の産お貿易し、志摩州、及尾、参州の海舶お纜して、海錯産物お交易す、故に其地豪富商民多し、 ◯按ずるに、阿濃津の事は津篇に在り、参看すべし、