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三国地誌
二十伊勢
河曲郡 郷名 神戸 按、今存す、 駅家〈今廃〉 按、兵部式に所謂河曲駅是也、在所詳ならず、〈◯中略〉 中跡〈和名奈加止、今廃、〉 按、今村名に存す、東大寺尊勝院領康暦旧案に雲、伊勢国中臣号河曲、神鳳抄雲、永藤(なかとう)の類、或は省語清濁の異なるお以、其文字お異にすといへども、倶に奈加等郷のこと也、 海部〈和名阿末、今廃、〉 按、玉垣の村里、海辺にありしときの旧名なりと、〈◯中略〉 川部〈今廃〉 按、今詳ならず、 賀美〈和名加美〉 資母〈和名之毛、并今廃、〉 按、今上箕田下箕田の村あり、恐は是ならん、 深田〈和名布加多、今廃、〉 按、今の北若松村の古名にして、式の深田杜此処なりと雲、 已上和名抄に出る所なり、然に今郷お以て称するもの、杉野郷吉清郷のみ、其沿革存亡更考る処なし、