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沙石集
六上
袈裟之徳事 去文永七年七月十七日、尾張の国下津の宿(○○○○)に雷堕て、道行馬三匹け損じて、小家に走入て、帷に袈裟掛て双六打ていたる法師のせなかにかきあがりて、帷おば散々に掻裂て、袈裟おば少も不損法師も無恙けり、