[p.0503]
尾張志
いにしへ今のあるやう 和名類聚抄の諸国郡名の条に、尾張国丹羽〈邇波〉と記し、六国史おはじめ、延喜式、風土記、拾芥抄等、其外の古書どもにもみな丹羽と見え、本国帳の一本にのみ丹波とかけり、往昔日本武尊の御裔爾波県君のしりし地也、中むかしの頃は、当郡誰人の領地なりしにかしるしたるものなし、斯波氏の領国となりし後、その家臣織田氏当郡おあづかり、大和守敏信、伊勢守信安父子岩倉の城にありて、当郡又上の四郡おもつかさどりし也、