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尾張志
清須(○○) 凡四至の境内ひろく、其地三郡にかヽれり、東は須賀口村お本郷とし、春日井郡に属けり、東北は市場村、西北は六角堂村、共に中島郡に属し、西は廻間村、西南は土田村、ともに海東郡とす、是お清須五け村と称し、其中央清須の町並也、〈◯中略〉犬山は丹羽郡につき、津島は海東郡につきて、余郡にかヽはらざる地とは例お異にす、永和の頃より、当国の守護、当所に城お築き、国府として政務公事お行ひしなり、されども斯波武衛家元祖高経より、五六代は京都ずまひにて、当城に守護代お置て在国なく、又土岐氏より尾張の守護お兼しときは、美濃の川手に居住して、猶更此清須には代官も置ざれば、守護の在城うちつヾかず、