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駿河国新風土記

郡名考 有渡郡 万葉集有度に作り、風土記烏渡に作り、和名抄延喜式有度に作り、今有渡と書す、中古より同じ、万葉集〈二十〉有度郡牛麿と雲名あり、この国人なり、風土記に、有度清水、有度采女、薮子陵あり、有度山あり、中古の歌に有度浜とよむ、皆此なり、其有度てふ語意は、有は借字にて、ううの約りてうとなり、度は所(と)の意にて、植所(うと)の義なり、植とは稲苗お植る所と雲意なり、其有度の里とさす所、今の有東村成べし、