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駿河国新風土記

郡名考 安倍郡 古事記阿倍と書き、書紀同じ、類聚国史に安倍、風土記并民部省図帳安兵と書す、今安倍の文字に随ふ、中古より同じ、〈◯中略〉此地、中むかしより二つに分れて、東の方お安東と雲、西お安西と雲て二郷とはなれるなり、すべて大郷にて、此あたりの大名なれば、郡の名にも及びし成べし、又昔武治河命の子孫の、知らしヽ所のかぎりの郡名と成るにもあらんか、安東安西は総て府の東西にて、中古の書にも数多出たる地名なり、