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南方海島志
小笠原島 在下田奥東南弐百四拾四里、此島大にして人の住すべき十島あり、其他八十余あれども、大概石島にして居住すべからず、昔絶て此島有事おしらず、赤水雲、文禄年間、信州深志の営、小笠原民部少輔貞頼者避之、故に総名お小笠原島といふ、又此島人無きお以、無人島(○○○)とも雲、鄙俗めつぽう島(○○○○○)と雲、めつぽうは無量の義、雲其極大也、阿蘭陀も此島の事お知て、うーすとえーらんど(○○○○○○○○○)と名付、せおがらーひの地理書に出づ、うーすとえーらんどは、荒地島と雲義也と林子平いえり