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甲陽名記
甲斐国は諸国に違、百姓之家作り家根切つまと申て、丸屋根にはあらずして、行間之双方直に葺也、但し川内領、郡内領、大逸見筋は、諸国に同く丸棟也、通用之金お甲金とて、丸金也、いにしへは甲の字判と申は、壱分判、弐朱判、壱朱判、朱中判と申し、何れも同断之形りなり、朱中判は冊尺の形なり、松木判と申壱分判、弐朱判、壱朱判と申三色有也、〈◯中略〉又升之義も甲州は京升三升入お壱升と申也、其升お四つに割、壱盃弐つおば五合と申し、三つお七合五勺、四盃お壱升と立申、