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江戸砂子
五下
品川(○○) 東海道御伝馬宿、日本橋より二里、北本宿、南本宿、歩行新宿南北二け村、凡千石の場、 里人の雲、南北宿の境川お品川といふと、一説に、武蔵国品川の駅は、往古此奈革お染たる所なりと、訓閲集曰、武蔵国大渡庄にて四名革お染るとあり、甲冑お威に歯朶革お用ゆ、当所にて染たる革か、源平盛衰記に、源頼政品川縅の鎧お著たりとあり、品川にて染たるゆへ、品革といふにや、地名と前後分明ならず、今立合といふ所、いにしへしな革お染たる所といひつたふよし、里人の語ぬ、いづれ分明なることおしらず、猶たづぬべし、