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江戸名所図会
十三
板橋駅 中仙道の首にして、日本橋より二里あり、往来の行客常に絡謝たり、東海道は川々の差支多しとて、近世は諸侯お初め往来繁ければ、伝舎酒舗軒端お連ね、繁昌の地たり、駅舎の中程お流るヽ石神川に架する小橋あり、板橋の名こヽに発るとぞ、〈板橋は上下に分てり、此地は下板橋と称す、上板橋は練馬通道にして、此地よりは西南の方の通路おいふ、〉