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曾我物語

はたけやましげたヾこひゆるさるヽ事 こヽにむさしの国の住人、はたけ山のしやうじ二郎しげたヾ〈〇中略〉申されけるは、いとうがまごどもお、はまにてきられ候なる、いまだおさなく候へば、せいじんのほど、しげたヾに御あづけ候へかし、〈〇中略〉きみのおほせには、かれらが、せんぞのふちう、みな〳〵ぞんじの事、なにとてかほどにの給ふ、此事かなへぬおこたりに、むさしのくに二十四ぐん(○○○○○)おたてまつらんと、おほせくだされしぞ、まことにかたじげなくはおぼへける、