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江戸名所図会

四谷大木戸、〈又大関戸に作る〉甲州及び青梅への街道なり、土俗雲、霞が関或は旭の関共雲とぞ、御入国の頃迄は、此地の左右は谷にて一筋道なり、此関にて往還の人お糺問せらる、近頃迄江戸より附出す駄賃馬の荷物、送状なきお通さヾりしとなり、今も猶駄賃馬の荷鞍なきおば、江戸宿又は荷問屋等の手形お出して通るは其遺風なり、此故にや、こヽの番屋は町の持なれ共、突棒、指脵、錑等お飾置り、是往古関のありし時の遺風ならん、