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御府内備考
二十五根津
根津は下谷池之端につき、谷中三崎に隣れり、依之谷中に近き故、多く今谷中の内に入といへども、実は駒込千駄木の地なり、〈江戸図説〉案に、根津の地名は、根津権現鎮座以来の唱へなるべし、神社略記根津権現の条に、根津といふは、鼠のいはれにや、是大黒天お祭るならん、ことに天井又は絵馬などに、鼠お多く書て見ゆれば、大黒の社なる事決せりと見えたり、社の旧地は、千駄木御林の傍にて、今もその所お元根津と呼べり、