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南向茶話
問曰、本庄お本所とも相記し候、いづれか正字ならん、梅若の来由に付て旧地と被存候、 如何御聞つたへも候哉、 答曰、本庄は旧名なるよし、武州熊谷先にも同名あり、元禄年中有故て本所と相改むと雲、梅若跡之儀、近年尾州人縁起お相記し、其記には、上古円融院之御治世之事跡とすといへども、愚按に、足利家之時代乱世之頃之事跡なるべし、〈〇中略〉文明之頃之五山僧横川叟景三の詩集にも、梅若童子悼といへる詩あれば、其頃の事にや、