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蜘蛛の糸巻
市中の人数 同月〈〇天明七年五月〉廿日の蜂起より、廿一日、廿三日、廿四日まで、江戸中諸商人戸おとざして業おせず、依之米はさらなり、諸人日用の品に困る、廿五日初めて戸お開く、町奉行に公命ありて、御救被下、〈曲淵甲斐守牧野大隅守〉四日市に小屋かヽり、施行場とす、壱人に玄米弐合五勺、豆弐合五勺、銀三両弐分づヽ、小児七歳以上迄、御救被下、此時町家の人数お撿戸ありしと、ある記に、 町数二千七百七十余町 表店二十万八千余家 市中総人数百二十八万五千三百人 内〈八千二百人 男 六千三百人 女 二千五百人 遊女禿〉 出家五万二千四百三十人〈一向宗の女除く〉 山伏七千二百三十人〈妻帯の者の女除く〉 神職三千五百八十人 右の外御用達町人、能役者、諸家の家業町住の者は除くなり、