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倭訓栞
前編二十五比
ひたち 常陸およめり、ひたみちの略なり、風土記にも、道路不隔江海と見えたり、新古今集にも、東路のみちのはてなるひたち帯とよめり、衣手のひたちとつヾくる事は、万葉集に出たり、風土記に、国の俗諺に、筑波岳に黒雲掛る衣袖漬国と見えたり、されとひだどつヾけたるならんといへり、