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新編常陸国誌
十俗称郡名
俗称郡名 〈和名抄お按ずるに、官家置く処の郡の外に、国人更に別郡お分置すること、其来ること久し、所謂和泉国泉南郡、(和泉郡お分つ)陸奥国高野郡、(白河郡お分つ)伊達郡(磐瀬郡信太郡お分つ)等なり、其他上野国群馬郡お分て、東西二郡とするの類皆国人のなす所にして、朝家の所置にはあらず、然れども当時通用する処にして、国司もまた知らざるにあらず、後世に到るに及で、諸国此の類多し、陸奥三十六郡、別て五十四郡となるもの、其猶も甚だしきものなり、本国新治お、西郡、中郡、東郡とし、茨城お南北二郡と〉〈し那珂お東西とし、久慈お東西とするが如きは、皆郡名第一第二各郡の下に弁ぜり、こヽに載するものは、更に別名お設け、分て一郡とせる類のみなりに〉