[p.1167]
近江国輿地志略
二建置沿革
国府 今按るに、勢多橋本村の辺ならん歟、順和名抄に曰、国府在栗本郡雲々、拾芥抄にもかくのごとくしるされたり、 臣 勢多おもつて国府といふもの私説にあらず、延喜式の斎宮式に、頓宮は近江の国府とあり、花鳥余情に、瀬田の頓宮は、波斎宮の御額の御櫛お徹して、宮に入たまふ処なりとしるせり、これおもつて見るときは、国府お勢多とするもの明なり、