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新撰美濃志
一美濃二十一郡
海西郡は、安八郡の南にありて、北より南へ細くながし、東は木曾川お隔てゝ、尾張国の海西郡に隣り、南西は石津郡に宣り、西北は安八郡お堺とす、むかしは尾張の地なりしよしは、羽栗郡にいへるが如し、往古尾張の海部郡といひしお、今より六七百年以前にわかちて二郡とし、東お海東、西お海西と名づけしとぞ、和名類聚抄に尾張国海部〈阿末〉と見えたり、〈〇中略〉高一万千六百九十四石六斗一升二合、二十八け村、〈古高帳には、一万千百三十一石余、二十二け村とし、新高帳には、二十九け村とす、〉