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飛州志
一土地
土之性廩 本土は総て土の性瘠磽にして、底下は小大の砂石多し、故に其性乾易し、 埴土(まつち)、国名山鳥真土と称す、田畠ともに是お以て極品とす、其色赤く黒し、佗の土よりは甚重なるものなり、 堊土(しろつち)、中品とす、田地に多し、 砂土、中品也、田畠ともに是多し、たとはヾ土一分砂二分有るが如しと可謂、 櫨土(くろつち)、下品とす、国名くろぼくと雲なり、田畠ともに多し、 赭土、下品也、畠地に多し、 黄土、赤土、白土、以上三品山澗に多し、各其性かろく、灰の如きものあり、但し黄土赤土は、家屋の壁土に用る也、きら土、山澗にあり、其色白く、しかも光りあり、彩色に用る処の雲母(きら)に似たる故に、此名あるか、