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上野国志
智新田郡
新田郡は源家累代の領所なり、其初将軍頼義より、陸奥守義家に相伝し、義家の三男陸奥三郎義国に新田の領家お譲与せられて、始て新田式部大夫と称す、義国の長男大炊助義重これお伝領す、是お新田の元祖とす、義重より八代の嫡孫左近衛中将義貞、後醍醐天皇の勅お奉じて北条高時お滅して後、上野越後播摩三箇国お賜る、此時上州義貞の分国となる、新田氏義貞お宗室として、一族各其所居の地お以氏とす、 村落凡八十八箇村、租入五万六千二百五拾九石三斗二升三合二勺六撮、