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東遊雑記
二十
盛岡(○○)は、南部大膳大夫侯の城下にて、聞しよりはよき所にて、町の長さ三十余町、豪家と覚しき商家も数家見え、御案内のものヽ申上しは、市中千七百余軒、と言し事なれ共、是は先年より御巡見使へ申上る定りの事にして、実は三千余軒、城は往来よりは、委しく見えず、土人の物語お聞ば、要害能大城と雲、〈◯中略〉市中へ中津川流れて、町の南にて北上川に落て一流と成、