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年々随筆

多賀城碑は、天平の古物にて、いと〳〵めでたけれど、壺の石文にはあらず、つぼの碑は、古歌どもに、おほくはえそおよみあはせたるにても、〈◯中略〉津軽近き所なる事おしるべし、〈◯中略〉南部殿のしらす地に、つぼ村あり、そこに石文大明神といふ社あり、石文湮滅して後、その跡お神に祭りたりといひ伝たりとなん、これよくかなひておぼゆ、