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太平記
十八
越前府軍并金崎後攻事 北国の道塞て、後に敵あらば、金崎お責ん事難儀なるべし、如何にしても杣山の勢お、国中へはびこらぬ様にせでは協まじとて、尾張守高経、北陸道四箇国の勢三千余騎お卒して、十一月廿八日に蕪木の浦より、越前の府へ帰給ふ、