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三州志来因概覧
一越中国郡郷来因
国造本紀に伊弥頭国〈今の俗本無国字誤〉お載す、〈◯中略〉伊弥頭国とは即ち今の射水郡也、〈◯中略〉蓋和名抄拾芥抄並に越中四郡と載す、〈◯註略〉而して射水お府と書す、国衙也、〈下学集雲、諸国之府謂之衙、〉されば伊弥頭は越中の古都会なること明か也、〈按るに、古へ国司大伴宿禰家持お始め此国府に住す、寿永〉〈の頃までも猶国府たりと見へて、源平盛衰記に義仲六動寺の国府に到るとあり、六動寺おば今は六渡寺に作る、即ち射水郡也、其後も永正の初、上杉房義此国府に在て国政おなす、今猶古国府の遺名ある可以知、〉