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佐渡国は、さどのくにと雲ふ、北陸道に属し、越後国新潟港の西方凡そ十一里の海中に在り、東西凡そ七里、南北凡そ十一里、周廻凡そ五十三里余、其地勢は、二条の山脈より成り、両者の間、一小平地お開き、之お国中(くになか)と称す、国中の左右は海水湾入し、島状殆ど二箇の連結より成るものヽ如し、而して土俗其前後お分ちて、大佐渡、小佐渡と称す、此国は、古へ国府お雑太郡に置き、羽茂(はもち)、雑太(さはた)、賀茂(かも)の三郡お管し、延喜の制、中国に列す、明治維新の後、三郡お合して一郡とし、之お佐渡郡と称し、新潟県おして之お治せしむ、