[p.0363]
古事記伝

此島のみ亦名のなきは、古より脱たるなるべし、〈口決、また元々集などに、建日別とあれど、是は旧事紀に、次熊襲国謂建日別、一雲佐渡島とあるお取て雲るひが言なれば、依るに足らず、旧事紀は、此記に佐度島に亦名の無お疑、又熊曾国と雲は、後の九国に無き名なれば、此お佐度のことかとも思て、おしあてに、一雲佐渡島と雲るなれば、例の妄り言なるおや、又口決一本に、達日別ともあるは、後の写しあやまりなり、〉