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人国記
出雲国 出雲国之風俗、万事なす所之業、実儀に勤る事、百人に而六七十人如此、然ども明闇之詮儀疎に而、其道理お不弁而、善悪邪正ともに仏神に祈願お而祈れば、必成就すると思ふの風儀也、愚蒙之意地也、されば謀計雖為眼前之利潤、必当神明罰、正直雖非一旦之依怙、終蒙日月之憐とある詫宣お不知、又神は不受非礼舎正直首といへば、吾心悪意お尽而仏神お祈りたりとも、何ぞ加護あらんや、古今神明お重んずる事、和朝之例たれども、於此国には中々上下とも如斯にして、神明お不知なり、