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古事記伝

吉備児島(きびのこじま)、〈◯中略〉児島は高津宮の段にも見ゆ、吉備国に児の如く附る故の名なるべし、〈或説に、昔百済国の人兄弟三人、いまだ児なりしとき、吾朝に来り、吉備国にして、一つの島にとゞまれり、其旗幟にみな児と雲字おしるしたる故に、その島お児島と名く、其兄弟其後三宅お姓とし、宇喜多ともなのれり、これ此の国の宇喜多の家の先祖なりと雲るは、凡て信られぬことなり、〉万葉六の巻に歌あり、後に備前の国の郡になれり、書紀欽明巻に備前児島郡とあり、和名抄に児島〈古之末(こしま)〉郡是なり、さて書紀には、此島大八洲の一つに入れり、