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源平盛衰記

丹波少将召下事 少将は〈◯中略〉妹尾お召、仰られけるは、如何に兼康、女が候妹尾より、大納言殿〈◯成親〉のおはすらん所へは、如何程かあると問給へば、大納言のおはする有木の別所高麗寺と申は、備前に取ても備中の境、妹尾(○○)と雲は備中に取ても備前の境也、両国の間に御部川とて、川お一つ阻たり、其間は才に三十余町有けるお、知らせ奉ては悪かりなんとや思けん、大納言殿の御渡候所へは、行程十三日とぞ申ける、