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古事記伝
十八
阿岐国は、山陽道なる安芸国なり、名の義未だ思ひ得ず、〈山城国相楽郡の和伎(わぎ)は、崇神紀に依ば我君(わぎ)の義(こヽろ)なり、是に准へば、此国名も若くは我君(あぎ)歟、さる由縁(よし)ありてや名けヽむ、〉安芸郡安芸郷もあれば、其より出たる国の名なるべし、〈三代実録十四に、此の国に安芸都彦〉〈神と雲も見えたり、〉岐の字濁りて読むべし、芸も濁る音に用(つか)ふ字なり、