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淡路常盤草
八三原郡
沼島浦 南洋の海中に土生お距こと一里にあり、島の周廻二里許、西北に漁商の家多し、浦の北お泊りと雲、船お泊る所なり、南お流河(かう)と雲、魚蝦多し、或は伊勢の海対馬の海に行て釣漁する者あり、沼島お太平記に武島と書るは、沼武音訓近きお以て訛れる也、紀貫之土佐日記に阿波のみとおわたりて、とらうのときばかりに、ぬしまといふところおすぎてとあるは即此地なり、