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淡路常盤草
三津名郡
絵島(○○) 同じ浦〈◯岩屋〉石屋神社の海畔の磯辺につヾけり、一塊の丹石にて赤珠の凝聚れるごとし、石紋自ら人物花鳥の象ありて、彫がごとく絵くが如し、玲瓏として愛すべし、海より寄くる波に、石面お磨して画文お成せるにや、島の頂には一石塔お置り、何人の所為なりや知らず、緑樹数株あり、直峭して攀登りがたし、島の根盤(めぐり)は平にして席お設たるごとく、海潮に臨て潔し、雪月の時、猶賞遊すべし、