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人国記
淡路国 淡路国之風俗、遠島之国に而、人の気律儀に而、何事も偽る事すくなく、譬ば我が親類縁者とあれば、其筋目お正し、たとへ貧賤道路の乞人にても、是お正すの風俗也、然ども都て怠惰之気甚き国風にて、物のしまる事すくなく、退屈の体のみ多く、武士の風俗も質ありといへども、達人の可出国にはあらず、