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古事記伝

讃岐(さぬぎ)国〈岐は古へは濁りていひしなり〉倭名抄に佐奴岐(さぬき)、この名義未た思ひ得ず、強ていはヾ、古語拾遺、神武天皇御世の事どもお雲る所に、又手置帆負(たおきほおひ)命之孫造矛竿、其裔今分在讃岐国、毎年調庸之外、貢八百竿、是其事等之証也と見え、臨時祭式に、凡桙木千二百四十四竿、讃岐国、十一月以前差綱丁進納とある、是に因て思ふに、竿調(さおのつぎの)国か、〈乃都(のつ)は奴(ぬ)と切(つヾま)り、乎(お)お省るなり、〉